座りっぱなしで腰が痛い
と悩んでいる方
この記事では
- リモートワークで長くなった「座りっぱなし」時間
- 座りっぱなしは疲れと腰痛のもと
についてお話していきます。
重たい物を持つわけでもなく、ただ座っているだけなのに腰が痛い、と悩んでいる現代人は多いのではないでしょうか。
そして年齢と共に、その傾向を強く感じていませんか?
長時間座りっぱなしの場合、実はそれが腰への負担となっているのです。
リモートワークで長くなった「座りっぱなし」時間
リモートワークが普及して、現代はますます座りっぱなしの時間が長くなってしまっています。
リモートワークの身体の疲れの原因として姿勢の悪和もありますが、座っている時間が長すぎると、いくら正しい姿勢をしていても身体への負担はなくなりません。
■日本人は世界で一番長く座っている
2011年に世界20ヵ国における平均の座っている時間を調べた調査で、日本はサウジアラビアと並んで最長の420分(7時間)でした。
リモートワークが普及したコロナ禍以降では、きっと更に長くなっている可能性は高いです。
「1日に座っている時間が8時間以上だと死亡リスクが高くなる」という研究結果もあり、カナダでは「1日8時間以上座らないようにとガイドラインが出されているほどです。
■皆さんは1日にどれくらい座っている?
2020年11月、WHO(世界保健機関)が10年ぶりに更新した新たなガイドライン「身体活動と座位行動のためのガイドライン」には、「座位行動は最小限にとどめて、低強度でも問題ないので身体活動を取り入れることを推奨」と記載されています。
起きている時間の中で、家事や運動など「身体活動」は1/3程度、残りの2/3は座って行う食事、スマホや本を見るなどの「座位行動」。
私たちは想像以上に座っているのです。
■運動の前に座りっぱなしを解消すべし
デスクワークだけど終業後や週末に身体を動かしているから大丈夫!と思った人ほど要注意です。
1日の座り時間が長ければ、週末の運動だけでは帳消しになりません。
かつては立って行う低強度の活動がもっと身近にありました。
しかし、今は電話を別の部屋までとりにいくことはなく、連絡も携帯電話やメールで。
拭き掃除もできるロボットが登場する時代なので、立って動く機会を意識的につくる必要があります。
そのひと手間を習慣化すれば、座りすぎの問題は解消できるのです。
そうすることで、集中力が高まり、作業効率が上がるメリットも期待できます。
座りっぱなしは疲れと腰痛のもと
移動中の列車の中でも、街での買い物途中でも、座れるものなら座りたいという人、意外に多いのではないでしょうか。
健康行動科学では、運動以外の時間の多くを占める座りっぱなしの状態が、様々な健康リスクをもたらすということが明らかになっています。
■座りっぱなしだと腰が痛くなるワケ
「アクチン」と「ミオシン」の2つのたんぱく質からなる「筋原線維」がたくさん集まってできているのが筋肉。
その筋肉は、アクチンとミオシンが重なれば縮み、離れれば緩みます。
筋肉が緩むときには「ATP(アデノシン3リン酸)」という細胞のエネルギーとなる分子が必要ですが、何らかの原因で血流が低下すると、血液によって運ばれる酸素が減り、ATPが不足します。
そのため、アクチンとミオシンを引き離すことができず、筋肉が緩みにくくなります。
これが「腰がこった」という状態です。
そして、この筋肉のこりは、知覚神経によって「痛み」として捉えられ、脊髄を通って脳に伝達されます。
こうして腰がこり、腰痛が起こってしまうのです。
■座りっぱなしはとても身体に悪かった
座り過ぎによる死亡リスクについては、「1時間座り続けると余命が22分縮まる」という研究データも発表されているほどです。
身体の筋肉の70%は下肢に集中しています。
太腿の筋肉と第2の心臓と言われ血液を心臓に戻すふくらはぎの筋肉の働きが、座ることで悪くなってしまうため、血流や代謝機能が低下していきます。
座りすぎが子どもの認知の発達や、老年層の認知症に影響を及ぼすため、学力や認知機能の低下、メンタルヘルスにも悪影響を与える要因となっているのです。
■同じ姿勢を続けない「ちょいトレ」習慣
まずは座りっぱなしを解消するために、長時間座る際には30分おき(難しい場合は1時間おき)に、ブレイクする「ちょいトレ」習慣を身につけましょう。
「ちょいトレ」習慣
・腰割り
立ったまま背筋を伸ばして足を外側に広げ、腰を3秒間ゆっくり落とします。この状態でひざを5回曲げ伸ばしして、腰割りを行います。
・腰ねじり
腰割りの姿勢のまま、片方の手で内股を押しながら、肩を内側に入れて腰をねじり、2秒数えます。これを左右10回ずつ行いましょう。この際、横から見ると背筋がななめ前に伸びるように意識してください。
まとめ
リモートワークで長くなった「座りっぱなし」時間と座りっぱなしは疲れと腰痛のもとについて解説していきました。
- 日本人の「座りっぱなし」時間は、世界20ヵ国で一番の7時間という長さ。
- 座りっぱなしは、下肢に集中している身体の70%を締める筋肉が血流や代謝機能が低下し、疲れと腰痛のもとになる。
座りっぱなしは、パフォーマンスの低下や万病のもとです。
生活の中で取り入れられた立つ姿勢には、高い所の物をとる、歩く、しゃがむといった動作が自然と入っていきます。
これらの動きが、下肢の血液の循環を良くするだけでなく、筋力の維持を図れるなど、座りっぱなしの有害作用をなくしてくれます。
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